近視
近視や乱視などの眼の屈折系の変化を総称して屈折異常と呼ばれています。
(ただし、個人的には異常という表現が好ましくないと思いますので、以下屈折変化と呼んでいきます)屈折系とは角膜、水晶体、眼軸長(眼の長さ)のことを言います。
ここでは近視について簡単に解説します。
近視は 調節緊張と軸性近視の2種類に分けられますが、ほとんどの場合この2つの近視をあわせ持っていると考えられています。
調節緊張は、いわゆる仮性近視のことで、水晶体や毛様体というピントを合わせる器官が、過剰な緊張のために正常な状態に戻りにくくなってしまった状態のことです。通常、調節緊張は回復する可能性が高い近視です。
それに比べて 軸性近視は眼球の奥行きが伸びてしまうことですが、わかりやすく言うと眼球自体の重量に負け強膜と脈絡膜と網膜が薄く伸びて、 垂れてしまった状態と考えてください。
この軸性近視は現時点では改善させることは非常に困難です。なおかつ、そのまま放置して近視が進行すればするほど、網膜が薄くなり、血管も限りなく細く伸ばされてしまいます。薄く、血行が悪くなった網膜や視神経や毛細血管は、近視ではない眼に比べて、ストレスなどに対しての抵抗力などが弱くなりやすいことはお分かりいただけると思います。以下の写真を参考にしてください。
近視の主な原因は、
(1)過剰な近業
(2)生活環境
(3)遺伝
などと考えられていますが、すべての原因を把握することは大変困難ですが、 少なくとも普段からの眼の使い方に注意を払っていただければと思います。
特に子供の場合は、携帯型ゲーム器や携帯電話など「小さくて細かい」ものを見る機会が一段と増えていますので、それらとの付き合い方を考えていただく必要があるのではないでしょうか。また、机に向かう姿勢やペンの持ち方など、すぐにでも改善できることもありますので、近視を防ぐためや少しでも進行させないために、本人や周りの方も気をつけてください。
いずれにしろ、現在社会のように眼を酷使しなければならない状況では、近視を100%予防することは難しいと思いますが、 近視になってもできるだけ進行させないようにすることの重要性がいくらかはお分かりいただけるのではないかと思います。また、近視の人が緑内障になりやすいこともわかってきました。近視は眼の万病の元です。
以下の写真は、上が正視の方の眼底で下が私の強度近視眼底です。
下の眼底は網膜がかなり薄くなっているために、網膜の後ろの脈絡膜の血管が見えています。このような眼底を豹紋状(ひょうもんじょう)眼底といいます。薄くなってしまった網膜は、現時点では元には戻せません。ですから、できるだけ薄くしないように、近視を進行させないようにすることが大切なのです。
また、強度近視の方に限らず、飛蚊症のような症状が出たり、症状が出なくても中高年になりましたら、眼科で精密検査を受けていただくことを強くお勧めいたします。
[正視の方の眼底写真] 正視の方の眼底の写真

